何故今俺は傷ついている? イ・ミンホ相続者たち 小説翻訳
[HD]第2巻7章2 チェヨンドそこにいろ
脚本 김은숙
小説 임메아리
翻訳 shiho
ウンサンが落としていった携帯電話が鳴った。
拾い上げてみたらまたチェヨンドからの電話だった。
タンの目の色が鋭く変わった。
通話ボタンを押す。
「どこだ ?」
「この電話になんでお前が出るんだ?」
「どこにいるんだ?」
「お前、屋上か?」
ヨンドがゆっくり呟いた。
「二人で何をしてたんだ ? チャウンサンが屋上から降りてきたぞ」
「そこで待ってろ ! 」
「急ぐ用があるから切る」
ヨンドが先に電話を切った。
ヨンドは階段を降りてきたウンサンをじっと見た。
ウンサンはヨンドの視線を感じ、ふと目を向けた。
目が合うと瞬く間にウンサンは目をそらした。
そして、まるで誰もいなかったかのようにヨンドの横を通り過ぎようとした。
ヨンドは本能的にすれ違うウンサンの腕をつかみ自分の方へと振り向かせた。
するとウンサンはすぐさまヨンドの手を振り払った。
自分を虫けらを見るかのように眺めたウンサンの視線から、ヨンドは今まで味わったことのない痛みを感じた。
ウンサンはとても冷ややかな目でヨンドを一瞥したが、すぐに立ち去ったのだった。
ヨンドはわけがわからずウンサンの後ろ姿を傷ついた目で追った。
それで終わりだった。
ウンサンに痛みを与えたのは自分だったはず。
なのに何故今俺は傷ついているんだ?
立ちつくすヨンドの元へミョンスが近づいてきた。
~小説翻訳「相続者たち」第2巻7章3に続く~
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