知りたかったんだ イ・ミンホ 相続者たち小説翻訳
「俺が転ばせた」イ・ミンホ主演ドラマ相続者たち 小説本翻訳第2巻7章-3
脚本 김은숙
小説 임메아리
翻訳 shiho
ぼんやりと立ったままのヨンドの元へミョンスが近づいてきた。
「成金の制服どうした?汚れてたぞ
?」
「俺が転ばせた」
ミョンスが少し眉をひそめた。
「なぜ?不注意で?わざと?」
ミョンスは友達だったから、ヨンドの心にある孤独を知っていた。
その為にわざと悪ぶって行動するヨンドを、いつもは黙って、しかし切なく思いながら見ているだけだった。
けれども、これは許せなかった。
「お前これまでは女子には手を出さなかったじゃないか。 なんでそんなことを!」
「そんなんじゃない。他のことはそうだけど、これは違うんだ」
「何が違うんだ」
ヨンドは ためらうように時間をおいた。
自分の感情を整理するために少しの時間が必要だった。
「知りたかった。チャ・ウンサンを転ばせたら、俺はどんな気持ちになるのか」
「それのどこが違うんだよ?お前おかしいんじゃないか?
それに、興味があるならいじめずに告白しろ。
これだからお前は幼稚だって言われるんだよ」
「静かに出来ないのか?」
「お前が黙れよ」
ミョンスは呆れたように早足で歩き出した。
「ちょっと待て」
ヨンドはミョンスの後をちょろちょろとついて行った。
"心を打ち明けられる唯一の人がいるとしたらそれはチョ・ミョンスだ。
タンとの関係が離れてしまってミョンスがいなかったら、多分俺は今よりもっと壊れてしまっていただろう"
そうヨンドは思っていた。
~小説翻訳「相続者たち」第2巻7章4に続く~